焦点工房 新世代マウントアダプター専門店

澤村徹×KIPON 古典鏡玉ものがたり Zuiko Auto-W 24mmF2.8「ティルトとシフトの両刀づかい」TS OM-NEX

KIPONのマウントアダプターは、ティルト専用、シフト専用、そしてティルト・シフト両対応と実にバリエーションに富んでいる。今回はティルトとシフト両対応のTSマウントアダプターを使い、ティルト機能を使い方を見ていこう。

 

KIPONのTSマウントアダプターは、ひとつのマウントアダプターにティルト機能とシフト機能を備えている。ティルト機能は最大12度、シフト機能は最大±15ミリの範囲で可動する。30度刻みのレボルビング機能を備え、360度どの方向に対してもティルトとシフトが可能だ。

 

上部のレバーを押し込むと、最大±15ミリの範囲でレンズをシフトできる。ティルト機能との併用も可能だ。

 

ネジをゆるめると、一方向に最大12度のティルトが可能になる。ティルトすると目盛りが現れ、角度を明示的に調整できる。

 

レボルビング機能を使う際は、レバーを引き上げてマウントアダプターを回転する。30度刻みで360度回転する。

 

さて、ティルトは被写界深度をコントロールする機能だ。用途は大きく分けてふたつある。ひとつめは製品撮影(いわゆるブツ撮り)だ。被写界深度を深く取り、手前から奥までしっかりとピントを合わせる。近接撮影は被写界深度が浅くなるので、ティルトによる被写界視度稼ぎはよく行われている。

 

ふたつめはミニチュア写真だ。風景撮影であえて被写界深度を浅くすることで、ジオラマやミニチュアを近接撮影したような見え方になる。最近はデジタルエフェクトでミニチュア風写真というものがあるが、これはそもそもティルト機能で被写界深度を浅く撮影したものである。

 

ティルト機能は上下左右、全方向に対して可能だが、主に上下方向の動作で被写界深度をコントロールする。被写体に対してカメラを斜俯瞰にした状態で、レンズを下向きにティルトすると被写界深度が深くなり、上向きに跳ね上げると被写界深度が浅くなる。ブツ撮りは下向き、ミニチュア写真は跳ね上げ、とおぼえておこう。なお、シフト機能については「シフトアダプターで建築撮影に挑戦」で使い方を解説している。そちらも合わせて参照してほしい。

 

 

α6000 + Zuiko Auto-W 24mmF2.8 絞り優先AE F2.8 1/400秒 ISO100 AWB RAW ティルトなし
広角レンズの開放F2.8で撮影した。ティルトせずにそのまま撮っているため、前後が多少ボケている。

 

 

α6000 + Zuiko Auto-W 24mmF2.8 絞り優先AE F2.8 1/400秒 ISO100 AWB RAW ティルト下方向
下方向にティルトして撮影した。開放F2.8でありながら、手前から奥までおおむねピントが合っている。被写界深度が深くなっているのがわかる。

 

 

α6000 + Zuiko Auto-W 24mmF2.8 絞り優先AE F2.8 1/320秒 ISO100 AWB RAW ティルト上方向
上方向にティルトし、レンズを跳ね上げるような格好で撮影した。通常の開放撮影よりもボケ量が多い。この状態で高い位置から俯瞰撮影するとミニチュア写真になる。

 

α6000 + Zuiko Auto-W 24mmF2.8 絞り優先AE F2.8 1/500秒 -0.7EV ISO100 AWB RAW ティルト上方向
ティルト機能でレンズを跳ね上げて撮影した。開放とは言え広角レンズでこれだけ大きなボケを稼げるのは、ティルト撮影の面目躍如だ。

 

α6000 + Zuiko Auto-W 24mmF2.8 絞り優先AE F2.8 1/800秒 +0.3EV ISO100 AWB RAW ティルト上方向
上方向のティルトで撮影した。RAW現像でコントラストと彩度を強め、ミニチュアっぽさを強調してみた。

 

●製品紹介

KIPON TS OM-NEX
ティルト機能とシフト機能を1台のマウントアダプターで実現する。それぞれ独立して機能し、ティルトとシフトを併用して撮影することも可能だ。マウントについては、ボディ側、レンズ側ともに豊富なバリエーションがある。