焦点工房 新世代マウントアダプター専門店

澤村徹×KIPON 古典鏡玉ものがたり FD 24mmF1.4 S.S.C. ASPHERICAL「シフトアダプターで建築撮影に挑戦」SHIFT FD-FX

 

KIPONは付加機能付きマウントアダプターを得意とするメーカーだ。特にティルト・シフト系は製品が充実しており、今回はシフト機能付きマウントアダプターを取り上げる。シフト機能は光軸を上下左右に移動(シフト)させる機能のことだ。本来はシフト機能付きレンズを使うのだが、KIPONのシフトアダプターなら好みのレンズでシフト撮影が可能となる。この手軽さが本製品の魅力だ。

 

シフト撮影は主にふたつの用途がある。ひとつめは建築撮影で欠かせない遠近感の補正だ。建物や屋内を普通に撮影すると、パースが付いて遠近感が強調される。シフト撮影はこれを水平垂直に補正することが可能だ。もうひとつの用途は写り込みの回避である。ガラスや鏡を撮影する際、撮影者自身が写り込んでしまう。そこでシフト機能で光軸をずらし、自身の写り込みを回避する。この写り込みの回避は直感的に使い方がわかるだろう。ただし、遠近感の補正はしかるべき手順を踏まないと、シフト撮影本来の効果が得られない。今回はシフトアダプターを使った遠近感の補正方法を解説しよう。

 

まず、カメラを三脚に固定して、被写体となる建物を普段通りに撮影してみよう。背の高い建物を下から見上げて撮るため、上にいくにつれて先細りしていく。この先細りを補正するわけだ。三脚の雲台を調整し、建物に対してカメラを真っ直ぐに設置する。カメラの電子水準器を使い、水平垂直がジャストになる状態でカメラを固定しよう。この状態でシャッターを切ると、フレームから建物がはみ出してしまう。そこでシフト機能の出番だ。

 

KIPONのシフトアダプターは30°刻みで360°回転する。このレボルビング機能を使い、シフトしたい方向にレンズをセットしよう。たとえば横位置で縦方向にシフトしたいときは、レンズを90°回転させればよい。その後、レンズをシフトするわけだが、その際はシフトロック解除レバーを押し込み、左右(もしくは上下)にレンズをシフトする。シフト量は左右に15ミリずつ移動可能だ。被写体となる建物がフレーム内に収まるようにレンズをシフトしよう。なお、装着したレンズによっては過度にシフトするとケラレが発生する。ライブビューでケラレの有無を確認しながら作業しよう。

 

先に遠近感の補正と記したが、シフト機能自体はレンズを上下左右に移動するだけだ。シフト機能が遠近感を補正するわけではない。三脚の雲台でしっかりと水平垂直を出すことで、パースの付き方をコントロールする。シフト機能は水平垂直の出た被写体をフレームに収めるための機能だ。こうした役割と手順を理解すると、シフト撮影がスムーズに行えるだろう。

 

KIPONのシフト機能付きマウントアダプターは、左右15ミリのシフト量を確保している。シフトロック解除レバーを押し込むとレンズが左右にシフトできる。

 

レボルビング機能は30°刻みで360°回転できる。写真のレンズは90°回転し、上下方向にシフトできる状態にした。

 

上方向にレンズをシフトしたところ。レンズが平行を保ったままスライドしているのがわかるだろう。こうした光軸の移動がシフト撮影である。

 

水門を下から見上げて撮影した。下から上に向かってパースがついているのがわかるだろう。これを建物の垂直線が平行になるように補正するわけだ。

 

三脚の雲台を調整し、水門に対してカメラが真っ正面に位置するようにセットした。その結果、水門の上部がフレームからはみ出している。

 

シフト機能でレンズを上方向に移動し、水門をフレーム内に収める。これで遠近感の補正が完了し、水門を真っ直ぐに捉えることができた。

 

製品紹介

KIPON SHIFT FD-FX
シフト機能付きのマウントアダプター。ボディは富士フイルムXマウント、レンズはキヤノンFDマウントの製品である。この組み合わせ以外にも多様なシフトアダプターをラインアップしている。ただし、ペンタ部のあるボディはマウントアダプターと干渉する場合があるので注意しよう。