最近話題のEOS-EF→ FUJIFILM X のAFマウントアダプターを試用してみました。
名前は、Fringer EF-FX Pro。マウントアダプタのカメラ側部分に絞り環が付いているモノ。ノーマルバージョンはカメラボディ側で絞りの設定を行うんですが、このモデルはマウントアダプタ側で絞り操作が出来ます。つまり、Xのレンズを扱っている感覚で撮影が出来るという事。Xユーザーとしてはコレ重要です(笑)
では、数本のレンズをお借りして試用してみた印象を写真とともにレポートしてまいります。ちなみに、すべてFUJIFILM X-T2で撮影しています。
言わずとしれた標準ズーム。広角端の17mmでの撮影です。撮影時に特に問題もなく、気になるAF速度はさすがにCANONボディで使用する感じ…とはいい難いです。X純正レンズに比べて速いという事もありませんが、結構普通に使えてます。絞り環も使えるので少し大きめのXのズームレンズ。という感じです。ビルと鉄塔を煽る様に構図してみましたが、力強い線が太い描写でガチッと撮れるレンズですね。
次にお昼に食べた鰻。50mm付近での撮影です。標準ズームらしく使用する範囲は広いです。CANONのレンズで撮るFUJIFILM Xの色というのも中々に味があります。Xで撮影している感覚ですので違和感なく撮影してしまいました。
望遠側の端、85mmでの撮影です。繊細に解像するわけではないのですが、階調表現は中々のモノです。ガチッと描写するなかに柔らかいトーンが特徴的なレンズです。ところで、マウントアダプタの使い心地をレポートするはずが、なぜかレンズのレポートになってしまいます(笑)それだけ自然に使えるという事なのでしょう。
このレンズは、撮影時点のアダプタのファームウェアにおいて、Fringerサイドで未テストのレンズです。そのためEXIF上では”Fringer / EF 10-22 “という記載となります。未テストとは言っても、普通に使えるので不都合はありません。昔から評価の高い EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM ですから、そのままXにおいても良い描写をします。しかし、気になる X純正の XF 10-24mm との比較となると厳しくなります。APS-C最高と言われる XF 10-24mmと比較する事自体意味がないのですが(笑)それでも、このレンズは四隅も歪が少なく使いやすいレンズです。10mmで使用する場合、四隅が若干流れてしまうのは仕方のないところでしょうが気にする程でもありません。当然といえば当然ですがXのレンズ感覚で使用できました。AFは普通に動作し、絞りも問題なく作動しています。
今回使用したレンズの中でもっとも使いやすかったレンズです。俗に撒き餌レンズと言われる格安の50mmですが、マウントアダプタと合わせたサイズ的にX-T2とマッチしていました。使い勝手も良く、AFに悩むシーンも少なく、相性がいい?レンズです。単焦点らしくピント面は繊細に解像しますし、価格を越えた描写力はCANONユーザーに説明するもないでしょう。
まずは、我が家の寝るだけが仕事の猫(KINA)の鼻にピントを合わせてみました。
こちらは渓流でのロケハン撮影で使用。開放時には若干柔らかめの描写をしています。すでにマウントアダプタを使っている意識は完全に無くなっています。実によく出来ている。
このレンズはCANONユーザー必携なのではないでしょうか?というくらい見かける白レンズですね。ポートレイトを撮るにはもう少し明るいレンズのほうがいいんですが、もちろんちゃんと使えますし、ISも作動します。Xでは望遠側のレンズバリエーションが多くないので、このマウントアダプタの活躍するシーンが多いのと思います。ネガティブなことを言えば、このレンズを使ったときにAFが迷うシーンが多いかな?という感触。しかし、このズームレンジはX純正には無く、それだけで価値がありそうです。
当然ながら、CANONもFUJIFILMも動作保証しない環境での使用となりますが、Fringerサイドで常に動作確認を行っている様ですし、ファームウェアのアップデートが出来る様になってる点もユーザー視点として優秀。決して安くないマウントアダプタですが、CANONのレンズ群を持った人が「Xボディを手に入れたい。」という時、真っ先に検討するべきアイテムです。CANONボディで使うほど早くもありませんし、X純正レンズよりも遅いシーンも多々ありますが、それでも”普通に使える環境”を手にできるというのは実に素晴らしいと思います。
写真&テキスト:HarQ Yamaguchi
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Fringer FR-FX1 電子マウントアダプター(キヤノンEFマウントレンズ → フジフイルムXマウント変換)