ライカMマウントで格安の大口径50mmとして話題の 「7artisans 50mm f1.1」。話題のマウントアダプタ「SHOTEN マウントアダプター LM-FX M」と組み合わせて、FUJIFILM Xシリーズで使用してみました。FUJIFILM XはAPS-Cサイズのセンサーですので中望遠75mm程度の画角となります。
【外装】
外装は価格からは想像できない高品質な仕上げで、丁寧に作られているという印象を受けます。正直、装着すると格好いいです(笑)
操作感としては、絞りとピントのヘリコイドの動きは適度な重さがあり好印象です。
【描写】
開放付近では収差を残してる感じで、ハイライトは滲みソフトな描写となります。光学一眼レフのファインダーではピントの山は掴みづらく、ミラーレス機でEVFを拡大表示してようやくピントの山がわかります。絞るに従ってシャープに変化していきますが、四隅の描写はF8でも解像力に甘さが残っています。
しかし、このレンズの特徴は開放付近のボケにあるようです。玉ボケは盛大に縁取りがあるタイプで、背景をぼかすとグルグルボケになります。人によっては好まれないボケではありますが、背景の選び方で滲むようなボケ方をすることもあり、使いこなし次第のレンズだと私は判断しています。
レンズの講釈をいくら言っても意味がないので作例を掲載しておきます。
FUJIFILM X-T1 による撮影、絞りはすべて開放値(F1.1)
FUJIFILM X-Pro2 による撮影、絞りはすべて開放値(F1.1)
使ってみて、シンプルに面白いレンズだという印象です。開放からシャープな描写を求める向きには、FUJIFILM純正の XF56mm F1.2Rを使えばいいし、そちらのほうがポートレイト撮影などでは効率的に撮影可能です。でも、このレンズの良いところは暴れん坊とも言えるボケ味を使いこなす事にありますのでレンズを愉しむという使い方が合ってると思います。このレンズでしか撮れない表現があるのは事実で、それが楽しいレンズです。
HarQ Yamaguchi