K&FコンセプトからライカMマウントの接写リング(エクステンションチューブ)が登場する。レンズをかさ増しして、近接撮影するためのアイテムだ。ライカMマウントレンズは最短撮影距離が70~100センチと長く、テーブルフォトはかなり難儀する。エクテンションチューブがあれば、被写体にしっかりと寄れるわけだ。K&Fコンセプトは8ミリ厚のKF-MM8、10ミリ厚のKF-MM10をリリース。厚みのある方が、より近接で撮影できる。
さて、KF-MM8およびKF-MM10は、M型ライカ専用というわけではない。マウントアダプターを介し、ミラーレス機でも使える。そこで今回は、テックアートのLM-EA7と組み合わせてみた。言わずと知れた、ライカMマウントレンズをAF動作させるマウントアダプターだ。LM-EA7にKF-MM8/KF-MM10を付け、その先にライカMマントレンズを装着する。これでAFにて近接撮影できるわけだ。
LM-EA7と組み合わせるメリットは、実はAFだけではない。スーパーマクロで撮れる点も見逃せない。通常、LM-EA7に付けたレンズはピントリングを無限遠位置にセットする。では、ピントリングを最短撮影距離にセットしたらどうなるか? 接写リングで十分に近接撮影が可能なのに、さらにレンズを最短にセットするのだ。まさにスーパーマクロ状態でのAF撮影が可能になる。MF撮影で良ければ、LM-EA7のMFパーキングモードをマクロモードにセットするという隠し技もある。こうすると、接写リングKF-MM8/KF-MM10、ピントリング最短、LM-EA7のマクロモードというトリプルセッティングにより、超スーパーマクロとなる。ここまでやるとさすがに寄りすぎだが、LM-EA7とKF-MM8/KF-MM10の組み合わせが、マクロ撮影の切り札であることが理解していただけただろう。
それでは実写レポートをお届けしよう。今回は初期型のズミルックス50ミリF1.4を使用した。まず撮影距離だが、このレンズの最短撮影距離は1メートルで、通常撮影だと寄りのカットは基本的に諦めざるを得ない。8ミリ厚のKF-MM8を組み合わせると、一気に被写体に近づくことができ、テーブル撮影もラクラクこなせる。KF-MM10ではさらにもう一段寄れるようになり、マクロらしさが増した。
このセットアップで色々なシーンを撮っていると、いつもと明らかなちがいに気付いた。普段、ライカレンズを使う際、被写体の細部はあまり気にしない。どのみち寄れないので、細部に目をやる必要がないからだ。一方、このセットアップでライカレンズを使うと、普段見過ごしがちなディテールを熱心に見つめている自分に気付いた。K&FコンセプトのKF-MM8/KF-MM10、そしてテックアートのLM-EA7。両者のセットアップは、撮る側の意識をも変化させる。思った以上に強烈なセットアップだ。
最後にストラップに注目してほしい。Cam-inのCAM1811は20ミリ幅のコットンウェビング製ストラップだ。特長はカメラへの装着がマルチタイプになっている点だ。ストラップの両端にバックルがあり、これによって取り付け部の交換に対応する。テープ式、ひも式、二重リングと当て革が付属し、カメラに合わせて自由に付け替えできるのだ。一眼レフならテープ式、コンパクトカメラはひも式、レンジファインダー機なら二重リングというわけだ。これ1本で複数のカメラの間で使い回せる。コストパフォーマンスの良いストラップだ。
●PRODUCT LIST
K&F CONCEPT KF-MM8
K&F CONCEPT KF-MM10
K&F CONCEPT KF-MM8・KF-MM10 SET
TECHART LM-EA7
Cam-in CAM1811