ライカMアダプターと言えば、数あるマウントアダプターの中でも定番製品だ。ただし、デザイン性に配慮した製品となると、それほど選択肢は多くない。そうした中、SHOTENのLM-SEはデザイン性と高級感を兼ね備えた仕上がりだ。今回はこのSHOTEN LM-SEを軸にちょっとしたドレスアップを楽しんでみよう。
SHOTENブランドのライカMマウントアダプターと言えば、ヘリコイドタイプに定評がある。このLM-SEはヘリコイドタイプのラグジュアリーな外観を踏襲し、ヘリコイド機能を省いてリーズナブルな価格帯を実現した製品だ。わかりやすく言うと、かっこよく、シンプルで安い、というわけだ。
SHOTEN LM-SEはシルバー(左)とブラック(右)の2色展開だ。同ブランドのヘリコイドタイプと同テイストのデザインだ。
LM-SEはシルバーとブラックの2色展開で、ここではブラックを用いた。ブラックと言っても全身真っ黒というわけではなく、上部がブラック、下部がシルバーという構成だ。これに初期型ズミルックス35ミリF1.4を付けたスタイルがたまらなく良い。初期型ズミルックスは根元がシルバーになっており、LM-SEのブラックに付けると、銀→黒→銀→黒と配色がリピートする。もしシルバーのLM-SEを使うなら、シルバー鏡胴の貴婦人(第1世代ズミルックス50ミリF1.4)を合わせると美しいだろう。
Cam-in(カムイン)のロープストラップCAM1305は、コットン製のやわらかいロープを使っている。もちろん強度に問題はない。
さて、ストラップはCam-inのロープタイプを合わせた。ブラックとシルバーで構成されたボディにグレーが加わり、バリエーションのあるモノトーンスタイルの完成だ。ロープタイプのストラップはアウトドア系のロープを使うものが多いが、この製品はやわらかいコットンロープを用いている。肌へのあたりがやさしく、衣類を傷める心配もない。
取り付け部はレザーで覆われ、赤いステッチがアクセントになっている。二重リング式で当て革を備えている。
写真のストラップは全長70センチのショートタイプだ。一般的な首提げ用ストラップは90センチ前後なので、かなり短い仕様である。女性向けという捉え方もできるが、胸元でカメラが暴れないというメリットも見逃せない。液晶モニターをメインに使う場合はちょっと顔に近すぎるか。EVFや光学ファインダーを覗く撮影スタイルなら、ストラップが余らずにスマートに撮影できるだろう。なお、Cam-inのロープストラップは、長さとカラーのバリエーションが豊富にそろっている。
最後にズミルックス35ミリF1.4の描写に触れておこう。いわゆる非球面タイプのズミルックスは、開放でやさしく滲み、絞るほどに繊細なシャープさを増す。滲むと言ってもソフトフォーカスとは一線を画し、合焦部分はちゃんとピントの芯が感じられる。その上で輪郭部から霧散するように滲むのだ。大口径35ミリレンズとしては驚くほどコンパクトで、その上描写が個性的なのだから人気が出るのもうなずける。ちなみに、SHOTEN LM-SEとの相性は、開放だと無限遠が若干オーバーインフになる。ただし、絞り込むとほとんどわからないレベルだ。
●PRODUCT LIST
SHOTEN LM-SE BK
Cam-in CAM1305(長さ70cm)
Cam-in CAM1315(長さ95cm)