焦点工房 新世代マウントアダプター専門店

澤村徹×KIPON 古典鏡玉ものがたり Summicron 35mmF2 RF「ベースボディとしてのライカSLの可能性」L/M-SL

KIPONからライカSL用のマウントアダプターが登場する。ライカSLはライカ社のフルサイズミラーレス機だ。フランジバックが短く、マウントアダプターを介して様々なレンズが装着できる。ライカR、ライカM、ライカSレンズ用の純正マウントアダプターが用意され、ライカレンズ全般の受け皿という役割が見えてくる。ではオールドレンズのベースボディとして、ライカSLの実力はいかほどだろう。KIPONのライカSL用マウントアダプターを使い、検証してみた。

KIPONから登場したマウントアダプターは、L39-SL、L/M-SL、L/R-SLの3種類だ。これらを使うことで、ライカL/M/RレンズがライカSLに装着できる。オールドライカレンズのベースボディとして、ライカSLが活躍してくれるわけだ。

左からライカRレンズ用のL/R-SL、ライカMレンズ用のL/M-SL、ライカLレンズ用のL39-SLだ。

マウントアダプターを個別に見ていこう。まずはライカLレンズを装着するL39-SLからだ。今回ズマリット5センチF1.5を取り付けたところ、レンズ指標はほぼ正位置で止まった。無限遠はレンズコンディションによるが、手元のズマリットはおおむね正確に無限遠が出ていた。なお、本製品は側面にローレットがないため、取り外しの際に指が滑って取り外しに難儀する場面があった。薄いマウントアダプターなので、ローレットを刻んだ方がハンドリングしやすくなる。今後の改良に期待したい。

ライカLはスクリュー式のマウントで、レンズを回しながら取り付ける。レンズ指標はほぼ正位置に固定できる。

Leica SL + Summarit 5cmF1.5 絞り優先AE F1.5 1/200秒 ISO200 AWB RAW イルミネーションは輝度差の大きい撮影条件だが、ズマリットのやわらかいトーンをしっかりと再現してくれた。

L/M-SLはライカMレンズを装着するためのマウントアダプターだ。これを使ってライカSLにノクティルックスを付ける、というのがライカファンの憧れのひとつだろう。ここではゴーグル付きのズミクロン35ミリF2を試してみた。ライカSLは前面がフラットなデザインなので、ゴーグル付きレンズが支障なく装着できた。ちなみに、デジタルM型ライカで内部干渉するDRズミクロン50ミリF2だが、ライカSLなら無限遠から最短まで問題なく使用できる。

ゴーグル付きのライカMレンズが支障なく装着できる。DRズミクロン50ミリF2も装着可能だ。

Leica SL + Summicron 35mmF2 RF 絞り優先AE F8 1/500秒 ISO200 AWB RAW 隅々まで堅実に解像し、メリハリのある描写も力強さを感じる。

最後はライカRレンズを付けるL/R-SLだ。ライカRレンズはカム数によっていくつか種類がある。が、他のマウントアダプター同様、本製品もカム数を問わず、ライカRレンズが装着可能だ。ここではエルマリート-R 35ミリF2.8タイプIを装着した。渋みのある色合い、ストンと落ちるシャドウ、本レンズのおいしい描写をしっかりと再現してくれる。

ライカRレンズのベースボディとして、ライカSLは理想的な選択肢のひとつと言えるだろう。

Leica SL + Elmarit-R 35mmF2.8 Type I 絞り優先AE F5.6 1/5000秒 ISO200 AWB RAW 褪せた青はこのレンズの特長のひとつ。粘りのあるシャドウ部も再現性が高い。

今回登場したマウントアダプターは、すべて電子接点はなく、スタンダードタイプの製品だ。絞り優先AEもしくはマニュアル露出の実絞りで撮影する。ライカSLは背面ボタンでライブビューを拡大表示でき、オールドレンズファンにはおなじみの撮影スタイルだ。一方、EVFは光学ファインダーのような透明感があり、かなり見え具合が良い。画質は階調の良さが印象的で、特にシャドウの粘りに目を見張るものがある。ライカSLにオールドライカレンズを付けることで、往年の光を余すところなく堪能できるだろう。

製品紹介

KIPON L39-SL L/M-SL L/R-SL
ライカSLに往年のライカレンズを付けるためのマウントアダプターだ。ライカL/M/Rレンズがそれぞれ装着できる。純正マウントアダプターよりも手頃な価格で導入しやすい。電子的な連携はなく、実絞りで撮影する。