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澤村徹×KIPON 古典鏡玉ものがたり IBERIT 75mm F2.4「ポートレートで使える大きなボケ」

前回、ハンデビジョンのイベリット50ミリF2.4を紹介した。イベリットシリーズは開放F2.4のコンパクトな単焦点MFレンズで、24/35/50/75/90ミリをラインアップしている。第1弾として50ミリF2.4と75ミリF2.4が同時発売となった。今回はイベリット75ミリF2.4を実写レポートしていこう。

 

イベリット75ミリF2.4はマニュアルフォーカスの単焦点レンズだ。マウントはソニーE、富士フイルムX、そしてライカM(距離計連動)に対応している。カラーはブラックとシルバーの2色展開で、オプションで金属製フードを用意している。このあたりの仕様はイベリット50ミリF2.4と共通だ。

 

注目すべきはそのコンパクトな鏡胴だ。ライカMマウントの場合、そのサイズは58×65ミリとなる。イベリット50ミリF2.4と直径は同じで、全長が1センチだけ長い。中望遠レンズながらも、標準レンズとさほど変わらぬサイズに収まっている。小型高性能というイベリットシリーズのコンセプトを実感させる部分だ。

 

イベリットの50ミリと75ミリを並べてみた。直径は同じで全長が1センチだけ75ミリの方が長い。同じサイズ感のレンズなので、シリーズで揃えやすい。

 

描写はスペックから受ける印象よりも大きなボケに魅了される。F2.4というスペックは大口径と言い難いものの、中望遠レンズゆえに開放ではかなり大きなボケが生まれる。やわらかい前ボケも相まって、女性ポートレートも撮りやすいレンズだ。後ボケは二線ボケが出やすいシーンもうまく持ちこたえ、素性の良さを感じさせる。シャープネスは中心部のみならず、周辺でもしっかりと解像し、メインの被写体をどこにでも配置できる。安定した描写を備えているがゆえに、制約のない撮影を楽しめるだろう。

 

Leica M Typ 240 + Iberit 75mm F2.4 絞り優先AE F2.4 1/125秒 +1.33EV ISO1600 カスタムWB RAW
前ボケを活かしたポートレートはこのレンズの得意技のひとつ。鳥かごの二線ボケもうまく抑え込んでいる。

 


Leica M Typ 240 + Iberit 75mm F2.4 絞り優先AE F2.4 1/125秒 +0.66EV ISO640 カスタムWB RAW
開放からシャープで画面全域にわたってよく解像する。コントラストの付き方も安定感がある。

 


Leica M Typ 240 + Iberit 75mm F2.4 絞り優先AE F2.4 1/1500秒 ISO200 AWB RAW
雷門の提灯に開放でピントを合わせる。道行く人々が前ボケとして描かれ、奥行きを強調できた。

 


α7II + Iberit 75mm F2.4 絞り優先AE F2.4 1/80秒 -0.7EV ISO500 AWB RAW
画面下のミニチュアにピントを合わせる。開放でも周辺まで解像し、大胆な構図も思いのままだ。

 

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α7II + Iberit 75mm F2.4 絞り優先AE F5.6 1/500秒 ISO100 AWB RAW
F5.6まで絞って鉄橋にピントを合わせた。どこまでも鋭く、立体感に富んだ描写だ。

 

製品紹介

HandeVision IBERIT 75mm F2.4

全5本のイベリットシリーズは、第1弾として50ミリF2.4と75ミリF2.4をリリースした。ともにコンパクトな高性能レンズという位置付けで、被写体やシーンを問わず、開放から安定した描写力を発揮する。