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澤村徹×KIPON 古典鏡玉ものがたり Distagon T* 18mmF4「超広角はフルサイズで使いたい」 Baveyes C/Y-FX

APS-C機やマイクロフォーサーズ機でオールドレンズを使う場合、どうしても画角面のストレスが募る。焦点距離が1.5~2倍になるため、レンズ本来の画角で撮影できないからだ。望遠寄りのレンズはまだ我慢できるものの、広角レンズが軒並み標準画角になってしまうのは忍びない。今回はKIPON Baveyesシリーズを使って超広角オールドレンズを本来の画角で使ってみよう。

 

BaveyesシリーズはKIPONとドイツIB/Eオプティクスが共同開発したフォーカルレデューサーだ。焦点距離倍率0.7倍で、APS-C機の場合、ほぼレンズ本来の画角で撮影できる。要はAPS-Cでフルサイズ相当の撮影が可能だ。また、集光効果によって約1段分明るい撮影が可能だ。これはシャッタースピード稼ぎに大きく貢献してくれる。

 

今回用意した機材は、ボディが富士フイルムのAPS-C機X-T10、レンズはヤシカコンタックスマウントのディスタゴンT* 18ミリF4、そしてフォーカルレデューサーはBaveyes C/Y-FXだ。超広角18ミリをどのようなコンディションで使えるかが見所である。

 

まず画角から見ていこう。ノーマルタイプのマウントアダプターでディスタゴンT* 18ミリF4をX-T10に付けると、レンズの焦点距離18ミリ×APS-C機の焦点距離倍率1.5倍で35ミリ判換算27ミリ相当になる。それに対し、Baveyesシリーズを装着した場合は、レンズの焦点距離18ミリ×APS-C機の焦点距離倍率1.5倍×Baveyesの焦点距離倍率0.7倍で35ミリ判換算18.9ミリ相当だ。おおむねレンズ本来の画角で撮影できるのがわかるだろう。実写結果を見ても、超広角ならではの強烈なパースペクティブが目を楽しませてくれる。

 

Baveyesシリーズは3群4枚の本格的な補正レンズを搭載する。実写結果の通り、中央の優れた解像力と力強いコントラストが印象的だ。超広角18ミリを付けても歪曲や色収差があまり感じられず、マスターレンズの性能をしっかりとイメージセンサーに投影しているのがわかる。マスターレンズ本来の色よりもいくぶん鮮やかになる傾向があるものの、画像編集で十分に調整可能な範囲だ。何よりも、APS-C機で広角18ミリのパースペクティブを堪能できることがすばらしい。

 

ディスタゴンT* 18ミリF4は絞り連動ピンが飛び出しているが、内部干渉することなくBaveyesシリーズに装着できた。

 


X-T10 + Distagon T* 18mmF4 + Baveyes C/Y-FX 絞り優先AE F8 1/30秒 +0.67EV ISO320 AWB RAW
藤棚をハイキーで撮影。18ミリならではのパースペクティブがたまらない。

 


X-T10 + Distagon T* 18mmF4 + Baveyes C/Y-FX 絞り優先AE F8 1/30秒 -0.67EV ISO250 AWB RAW
Baveyesを介した状態でも歪曲はほぼ感じられない。直線を入れ込んだ構図も安心だ。

 


X-T10 + Distagon T* 18mmF4 + Baveyes C/Y-FX 絞り優先AE F8 1/30秒 -0.67EV ISO1250 AWB RAW
暗がりから仁王像がヌッと現れる。シャドウの奥にディテールを感じさせる味わい深い描写だ。


X-T10 + Distagon T* 18mmF4 + Baveyes C/Y-FX 絞り優先AE F4 1/60秒 +0.67EV ISO200 AWB RAW
ほぼ最短で紫陽花に寄ってみた。柔らかい前ボケが心地良い。発色はやや強めに出る印象だ。

 

製品紹介

KIPON Baveyes C/Y-FX
3群4枚の本格レンズを搭載したフォーカルレデューサーだ。ボディ側は富士フイルムX、ソニーE、マイクロフォーサーズマウントに対応。レンズ側はここで取り上げたヤシコンをはじめ、M42、ライカR、ニコンFなど、多様なラインアップを用意している。