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澤村徹×KIPON 古典鏡玉ものがたり Trioplan 100mmF2.8「中望遠で極限マクロに挑む」KIPON EOS-S/E M

本連載ではKIPON製マクロアダプターを幾度か紹介してきた。今回もそのマクロアダプターは取り上げるのだが、あえてマニアックなセッティング方法を紹介したい。単に寄るだけでなく、できるかぎり接写するためにセッティングテクニックである。

 

今回はレンズがエキザクタマウントのトリオプラン100ミリF2.8で、ボディはソニーα7IIだ。KIPONはエキザクタマウント用のマクロアダプターをリリースしていないため、マウントアダプターの2段重ねで対処することになる。真っ先に思いつくのがライカMマウント経由だ。レンズにEXA-RMを付けてライカMマウント化し、そこにライカMマクロアダプターL/M-S/E Mを付ける。これがポピュラーなスタイルだ。しかしながら、ここではあえてキヤノンEFマウント経由を採用する。レンズにEXAKTA-EOSのマウントアダプターを付け、そこにキヤノンEF用マクロアダプターEOS-S/E Mを取り付けるわけだ。

 

なぜあえてキヤノンEFマウントを経由するのか。それはライカM用のL/M-S/E Mよりも、キヤノンEF用のEOS-S/E Mの方が繰り出し量が多いからだ。繰り出し量が多ければ多いほど、被写体に寄って撮れる。今回のトリオプラン100ミリF2.8の場合、レンズの最短撮影距離が1.1メートルであるのに対し、EOS-S/E Mのヘリコイドを最大まで繰り出すと、50センチあたりまで寄ることができた。100ミリレンズでここまで寄れると、使い勝手はマクロレンズそのものである。

 

ただし、このセッティングはひとつだけ弱点がある。キヤノンEF用のエキザクタマウントアダプターは、無限遠の甘い製品が多い。キヤノンEFマウントのフランジバックが44ミリ、エキザクタマウントのフランジバックが44.7ミリ。その差はわずか0.7ミリだ。レンズ装着時の耐重性を考慮し、キヤノンEF用エキザクタマウントアダプターは若干厚めに設計したものが多い。この点を踏まえると、今回のセッティングは近接専用と割り切った使い方がオススメだ。

 

今回はキヤノンEF用エキザクタマウントアダプターとKIPON EOS-S/E Mを組み合わせた。繰り出し量の多いマクロアダプターで極限まで寄るのが狙いだ。

 

 

左がレンズの最短撮影距離での撮影。右がマクロアダプターの最短撮影距離で撮ったカットだ。相当寄れていることがわかるだろう。

 

α7II + Trioplan 100mmF2.8 絞り優先AE F2.8 1/1250秒 ISO200 AWB RAW
マクロアダプターのヘリコイドを最大まで繰り出して撮影した。中望遠レンズでここまで寄れると世界観がちがって見える。

 

α7II + Trioplan 100mmF2.8 絞り優先AE F2.8 1/1600秒 ISO200 AWB RAW
トリオプランと言えばバブルボケがお約束だ。マクロアダプターの最短で玉ボケを活かして撮った。

 

α7II + Trioplan 100mmF2.8 絞り優先AE F5.6 1/1600秒 +0.7EV ISO200 AWB RAW
このカットもマクロアダプターの最短だ。F5.6まで絞り、花の輪郭をしっかりと捉える。普段より寄っているので、絞り込んだ方が描写が安定する。

 

●製品紹介


KIPON EOS-S/E M
キヤノンEFレンズ用のマクロアダプターだ。一眼レフ用のマクロアダプターは厚みがあり、その分繰り出し量が多く設計されている。2段重ねで使うときは、繰り出し量に注目してマウントアダプターを選ぶのも一興だろう。