焦点工房 新世代マウントアダプター専門店

澤村徹×KIPON 古典鏡玉ものがたり Color-Skopar 28mmF3.5「ライカLマウントアダプターの勘所」KIPON L39-S/E

 

ライカLやM42に代表されるスクリューマウントは、そのシンプルな構造ゆえにユニバーサルマウントとして人気を博した。サードパーティーから様々なレンズが登場した経緯、オールドレンズファンなら周知のことだろう。マウントアダプターにおいても、スクリューマウントのものは作りがシンプルだ。では設計製造もシンプルかというと、必ずしもそうではない。そのあたりの事情をKIPONのL39-S/Eで掘り下げてみよう。

 

スクリューマウントはバヨネット式マウントと異なり、レンズをロックできない。レンズをねじ込み、回転が止まったところが固定位置だ。よってネジ切りのスタート位置が厳密でないと、レンズ指標が真上にこない。一部のスクリューマウント用のマウントアダプターは、レンズの固定位置を微調整するために内部を回転式したものもある。しかしながら、使い勝手から言うと、そのままレンズをねじ込んで真上で止まるのがあるべき姿である。今回、KIPONのL39-S/Eに複数のライカLマウントレンズを付けたところ、手持ちのレンズに関しては所定位置にレンズ指標がきた。真摯な製品設計を感じさせる部分だ。

 

加えて、本製品はフランジバック調整も厳密だ。今回試したカラースコパー28ミリF3.5は生産終了したレンズだが、現行レンズに近いスタンスの製品だ。そのレンズを付け、レンズの∞マークでちゃんと無限遠にピントが合う。コンディションの良いレンズであれば、おおむねジャストで無限遠にピントが合うだろう。この無限遠が正確という点は、広角レンズで大きなアドバンテージになる。広角レンズは無限遠にセットして絞り込む。被写界深度が深いので、無限遠位置のままいちいちピント合わせせずにシャッターを切ることが多いだろう。このときオーバーインフになっていると、その都度無限遠にピント合わせしなくてはならない。そうしたことを踏まえると、ジャスト無限遠のマウントアダプターがいかに貴重な存在か実感できるはずだ。L39-S/Eはそうした貴重な選択肢のひとつである。

 

カラースコパーのレンズ指標が真上にきた位置で固定できた。

 

エルマー3.5センチF3.5、ズマール5センチF2を試したところ、ともに所定位置で固定できた。

 

α7 + Color-Skopar 28mmF3.5 絞り優先AE F8 1/1000秒 -0.7EV ISO100 AWB RAW
F8まで絞り込み、レンズを無限遠位置にセット。遠景から近接まで被写界深度を深く取る。

 

α7 + Color-Skopar 28mmF3.5 絞り優先AE F8 1/640秒 +0.7EV ISO100 AWB RAW
フラットな絵面に周辺光量落ちが映える。周辺は若干マゼンタかぶりが見受けられる。

 

α7 + Color-Skopar 28mmF3.5 絞り優先AE F8 1/500秒 -1.3EV ISO100 AWB RAW
電車の音を聞き、咄嗟に無限遠位置でシャッターを切る。ジャスト無限遠の強みだ。

 

α7 + Color-Skopar 28mmF3.5 絞り優先AE F8 1/1600秒 ISO100 AWB RAW
逆光条件でもフレアやゴーストは良く抑えられている。画質的に安心感のあるレンズだ。

 

●製品紹介


KIPON L39-S/E
L39はいわゆるライカLマウントのことだ。本製品はレンズの指標位置とフランジバック調整が正確で、ライカLレンズを快適に使いこなせる。薄くシンプルなマウントアダプターだが、細部にこだわりを感じさせる製品だ。