澤村徹×KIPON 古典鏡玉ものがたり AF-S Nikkor 80-200mm F2.8D ED「ニコンGアダプターで絞りをプリセット化」NIK/G-m4/3

マウントアダプターはオールドレンズ撮影の必需品だが、必ずしもオールドレンズ専用というわけではない。現行のAFレンズをマウントアダプター経由で取り付けることも可能だ。ただし、昨今のAFレンズは絞りリングを省略する傾向があり、絞りリングのないレンズは通常のマウントアダプターだと絞りを制御できない。実絞りで撮影できないため、常時開放撮影になってしまう。こうした問題を解消してくれるのが、KIPONのNIK/G-m4/3のような絞りリング付きのマウントアダプターである。

 

NIK/G-m4/3は絞りリングのないニコンGレンズを、マイクロフォーサーズ機に装着するためのマウントアダプターだ。マウントアダプター側に絞りリングがあり、これによってニコンGレンズの絞り制御が可能だ。ただし、絞り値やクリックはないため、どの明示的に絞り込むには慣れが必要だろう。ライブビューで被写界深度を確認しながら操作するとよい。

 

さて、今回はAF-S Nikkor 80-200mm F2.8D EDとNIK/G-m4/3を組み合わせた。実のところ、このレンズは絞りリングがあり、通常タイプのマウントアダプターで実絞りによる撮影が可能だ。ではなぜニコンG対応マウントアダプターと組み合わせたのかというと、このセットアップならプリセット絞り風の操作が可能になるからだ。レンズ側の絞りを任意の絞り値まで絞り込み、マウントアダプター側の絞りリング動かす。こうするとレンズ側でセットした絞り値までワンアクションで絞り込めるのだ。今回はレンズ側の絞りをF8にセットし、開放でピントを合わせ、その後一気にF8まで絞って撮影した。こうした応用的な使い方も一興だろう。

 

レンズの絞りリングを任意の絞り値にセットし、マウントアダプターの絞りリングで一気に絞り込む。これでプリセット絞り風の操作が可能だ。

 


OM-D E-M5 Mark II + AF-S Nikkor 80-200mm F2.8D ED 絞り優先AE F8 1/800秒 +0.7EV ISO200 AWB RAW
本レンズは35ミリ判換算で160-400mmに相当する。望遠側のインパクトは群を抜く。

 


OM-D E-M5 Mark II + AF-S Nikkor 80-200mm F2.8D ED 絞り優先AE F8 1/1250秒 ISO200 AWB RAW
F8まで絞って被写界深度を深く取り、飛行機が折り重なる瞬間を狙った。

 


OM-D E-M5 Mark II + AF-S Nikkor 80-200mm F2.8D ED 絞り優先AE F8 1/1250秒 ISO200 AWB RAW
手前から奥まで、緻密なシャープネスで描かれている。現行ニッコールの凄まじさを感じる。

 


OM-D E-M5 Mark II + AF-S Nikkor 80-200mm F2.8D ED 絞り優先AE F8 1/500秒 ISO200 AWB RAW
置きピンでモノレールを狙う。開放で高架にピントを合わせ、F8まで絞ってシャッターを切った。

 

●製品紹介

KIPON NIK/G-m4/3
絞りリングを搭載し、絞りリングのないニコンGレンズで実絞り操作を可能にする。シルバーのリングを回すと絞りが絞り込まれていく。ニコンFマウントレンズを付けた場合はプリセット絞り的な使い方が可能だ。


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