昨今、ムービー分野ではキヤノンEFレンズを使った撮影が定着化しつつある。マイクロフォーサーズやBlackmagicなど、動画撮影可能なボディにキヤノンEFレンズを付け、安価なシステムでプロムービーを制作するのがトレンドだ。その際にポイントとなるのが、使い勝手の良いマウントアダプターである。 周知の通り、キヤノンEFレンズは電磁駆動絞りを採用しており、一般的なマウントアダプター経由では実絞りで撮影できない。絞りをコントロールできないため、常時開放での撮影になってしまう。KIPON EOS-m43 EとSTEF-UAのセットは、キヤノンEFレンズを他社製ボディで使うための快適なソリューションである。 本製品は、電子接点付きのマウントアダプター「EOS-m43 E」とリモートコントローラー「STEF-UA」、そしてモバイルバッテリーがセットになっている。簡易的に使う場合は、マウントアダプターにモバイルバッテリーをUSB接続するだけでよい。マウントアダプターの側面にダイヤルがあり、これをまわすとEFレンズの絞りをコントロールできる。絞り制御でカメラ本体のバッテリーを消費しないため、長時間にわたるムービー撮影でも気兼ねなく使えるだろう。 ふたつめの使い方はリモートコントローラーを追加したプロムービーシステムである。リモートコントローラー「STEF-UA」にはUSB端子がふたつあり、一方にモバイルバッテリーをつなぎ、もう一方はマウントアダプターに接続する。STEF-UAのツマミをまわすと、1/3段刻みでEFレンズの絞り制御が可能だ。また、ツマミを押し込むと絞り値をロックできる。このシステムの利点は、カメラ本体に触れることなく絞り値を制御できる点だ。これにより、ムービー撮影中でも絞りをコントロールできる。絞った直後は露出が変化するものの、同一シーンで被写界深度を変更できるのは、ムービー表現に新鮮味を加えてくれるだろう。
簡易的に使う場合は、モバイルバッテリーを直接マウントアダプターに接続する。
マウントアダプター側面のダイヤルで、EFレンズの絞りコントロールが可能だ。
マウントアダプター内部に電子接点を搭載し、EFレンズの絞りを制御する。
マイクロフォーサーズマウントに加え、富士フイルムXマウント、ソニーFZマウント、REDなどに対応する。
リモートコントローラーの液晶上で、絞り値とレンズの焦点距離が確認できる。
付属のUSBケーブルを使い、モバイルバッテリーとマウントアダプターをそれぞれ接続する。
リモートコントローラーの底面には三脚穴がある。リモートコントローラーを固定して使うことが可能だ。
【作例】
LUMIX GH4 + EF50mm F1.4 USM
絞り優先AE F2.8 1/640秒 ISO200 AWB RAW
LUMIX GH4 + EF50mm F1.4 USM
絞り優先AE F2.8 1/500秒 -0.66EV ISO200 AWB RAW
LUMIX GH4 + EF50mm F1.4 USM
絞り優先AE F2.8 1/1600秒 ISO200 AWB RAW
LUMIX GH4 + EF50mm F1.4 USM
絞り優先AE F5.6 1/160秒 ISO200 AWB RAW
LUMIX GH4 + EF50mm F1.4 USM
製品紹介
キヤノンEOS/EFマウントレンズをマイクロフォーサーズマウントカメラボディに装着するための電子マウントアダプター。
外部電源(モバイルバッテリー)使用で、キヤノンEFマウントレンズ内の絞りを電子制御することが可能。