澤村徹のカメラガジェット放浪記 第20回「コンタックスGレンズがAFで甦る」 SHOTEN GTE

写真・文=澤村 徹

 

コンタックスGのAFマウントアダプターにニューフェイスが登場した。それがSHOTENのGTEである。コンタックスGマウントレンズを、ソニーEマウントボディでAF動作させるマウントアダプターだ。この手の製品はTECHARTのTA-GE1B(2013年発売)、ならびにTA-GA3(2014年発売)という前例がある。ただ、これらはソニーEマウント機が像面位相差AFを搭載する以前の製品だ。像面位相差AFが登場してもファームアップによる対応がなく、像面位相差AFボディでまともに動作しなかった。今回登場したSHOTEN GTEはもちろん像面位相差AFボディに対応している。文字通り、待望のAF対応コンタックスGマウントアダプターというわけだ。

 

SHOTEN GTEはTECHARTのLM-EA7に似た構造だ。マウントアダプター下部に小型モーターを内蔵し、マウント面を前後させる。

 

マウント面を繰り出したところ。このようにマウント面が動いてAFでピント合わせを行う。マウント側面はアンティーク処理した真鍮だ。

 

コンタックスGはAFレンジファインダーカメラで、従来製品のTA-GE1BならびにTA-GA3はレンズ側のAF機構を利用していた。しかし、SHOTEN GTEは根本から発想がちがう。レンズのAF機構は使わずに、マウントアダプターのマウント面を前後させてAF動作する。要はTECHART LM-EA7のコンタックスGマウント版と考えればわかりやすいだろう。とは言え、単にマウントがライカMからコンタックスGに変わっただけではない。コンタックスGマウントレンズがより快適に使えるように工夫をこらしている。その冴えたる例が側面にあるファンクションボタンだ。

 

ファンクションボタンを搭載し、レンズのセットアップ、AF/MFの切り替えなどに利用する。操作性向上に大きく貢献する機能だ。

 

このファンクションボタンを押すと、AF→MF→MF(マクロ)とモードが変わる。AFとMFをフィジカルに切り替えられるわけだ。アダプター側面にフォーカスダイヤルがあり、MF時はこのダイヤルでピント合わせを行う。MF(マクロ)はマウント面を繰り出した状態でMFモードになり、レンズ本来の最短撮影距離よりも寄ることができる。マウント面移動式AFの恩恵を実感できる部分だ。

 

MF用のフォーカシングダイヤルを搭載。これを回すと、レンズ側のフォーカシング機構が動いてピント合わせが可能になる。右手にあるのはレンズ着脱ボタンだ。

 

底面にマイクロUSB端子を搭載する。ファームアップなどで利用する。

 

ファンクションボタンはセットアップでも使用する。このボタンを押しながら起動し、装着レンズのレンズ情報をセットできるのだ。このセットアップを行うと、装着したレンズに応じてボディ内手ブレ補正機能が最適化され、さらにEXIFにレンズ名や焦点距離を記録できる。電子接点を持ったマウントアダプターの強みだ。

 

新製品のα7C用木製グリップ「SHOTEN a7C-GP」。グリップの厚みが増し、α7Cをがっしりと握れる。装着した状態でバッテリーの着脱、三脚の装着が可能だ。

 

cam-inの二重リング式ストラップ「cam-in (カムイン) LCS-073」。ウォームグレーのイタリアンレザーを使っている。長さは95cmと125cmの2タイプ、カラーは全8色展開だ。

 

さて、肝心のAF性能はどうだろう。今回は28mmF2.8、35mmF2、45mmF2、90mmF2.8という4本のコンタックスGマウントレンズを試してみた。GTEはコンティニュアスAF、顔認識、瞳AFに対応しているが、AF精度を重視するならフレキシブルスポット:Sだ。スポットSがもっとも効率よくピント合わせできた。ただし、装着したレンズによって動作にちがいがあり、このクセをつかむことが使いこなしのポイントになりそうだ。

 

Planar T* 45mmF2を装着。1994年に登場した4群6枚の標準画角のレンズだ。

 

α7C + Planar T* 45mmF2 絞り優先AE F2 1/3200秒 ISO100 AWB RAW フレキシブルスポット:Sで手前の自転車のギアにピントを合わせた。迷うことなく速やかに合焦した。

 

α7C + Planar T* 45mmF2 絞り優先AE F2 1/200秒 -0.3EV ISO100 AWB RAW 明暗差の乏しい日陰のシーンだが、狙い通りにペットボトルのキャップに合焦した。

 

今回実写した結果では、35mmF2、45mmF2、90mmF2.8の3本はスポットSで快適に撮影できた。もう少し詳細に見ると、中央部(3分割グリッドラインを表示した際の中央の四角のあたり)で特に精度が良かった。像面位相差AFを利用しているだけあって、AFスピードも実用的だ。ただし、周辺に行くほどAFが迷う場面が増え、極端な構図は苦手という印象を受けた。スポットSを使って中央寄りでピントを合わせるのがコツと言えそうだ。

 

Planar T* 35mmF2をGTE経由でα7Cに装着。コンタックスGの中ではややマイナーなレンズだ。

 

α7C + Planar T* 35mmF2 絞り優先AE F2 1/4000秒 -0.7EV ISO100 AWB RAW 開放で中央のライトにピントを合わせる。思ったよりも周辺減光が大きくて印象的な写りだ。

 

α7C + Planar T* 35mmF2 絞り優先AE F2 1/4000秒 ISO100 AWB RAW スポットSでショーウィンドウの人形にピントを合わせる。中央から少し外れた場所だが、ノンストレスで合焦した。

 

Sonnar T* 90mmF2.8を装着。この個体はブラックモデルだが、スタンダードなチタンカラーもある。

 

α7C + Sonnar T* 90mmF2.8 絞り優先AE F2.8 1/800秒 ISO100 AWB RAW 赤いドラム缶にエッジにピントを合わせた。90mmF2.8は精度スピードともにAF動作は良好だった。

 

α7C + Sonnar T* 90mmF2.8 絞り優先AE F2.8 1/1600秒 ISO100 AWB RAW 噴水にピントを合わせてみたが、さすがにAFが迷って厳しかった。ファンクションボタンでMFに切り替えて撮影した。

 

一方、28mmF2.8だけ挙動が異なる。スポットSで中央部の被写体にピントを合わせても、AFが迷ってシャッターが切れないことが多かった。開放でピント合わせしても、だ。ただし、GTEはファンクションボタンで速やかにMFに切り替えられるので、無理にAFにこだわることもないだろう。今回の実写ではAFが迷ったら即座にMFで撮影した。AF/MFの切り替えやすさがこういったところで威力を発揮する。

 

Biogon T* 28mmF2.8をα7Cに装着。コンタックスGレンズの中では人気の高いモデルだ。

 

α7C + Biogon T* 28mmF2.8 絞り優先AE F5.6 1/640秒 -0.7EV ISO100 AWB RAW 教会にピントを合わせたのだが、なかなか合焦ランプが点らない。やむを得ずMFに切り替えて撮影した。

 

α7C + Biogon T* 28mmF2.8 絞り優先AE F5.6 1/160秒 +0.7EV ISO100 AWB RAW 画面中央部、白壁でピントを合わせると、何度か迷ってようやく合焦した。GTEは28mmとあまり相性がよくないようだ。

 

コンタックスGのツァイスレンズは、現代的なコントラストの良さと、オリジナルツァイスのどこかノスタルジックな趣きが同居する。SHOTEN GTEでその奥深さを味わってほしい。


 


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