【HarQの使えばわかる】28mmスナップのすすめ:七工匠 28mm F1.4 ASPH、SHOTEN LM-FX Mをお供に

7Artisans 28mm F1.4 ASPH と中山道、宿場町の旅へ

 

中山道の宿場町「妻籠宿」と「馬籠宿」を訪れる機会があったので、「7Artisans 28mm F1.4 ASPH」をX-T2にセットしてスナップしてみた。ちなみに装着は「SHOTENのヘリコイド付きマウントアダプタ LM-FX M」を使用して、フルサイズで約40mm画角となる。このレンズは人気らしく少々品薄だそうだ。

 

2つの宿場町は、山一つを挟んでいるだけだが、妻籠は岐阜県、馬籠は長野県である。そして今どきのオーバーツーリズムな奈良や京都でスナップするよりよっぽど撮りやすいのである。では写真を見ていこう。


【スナップ作例】

F2:朝の宿場町の雰囲気を構図してみた。程よい遠近感が心地よい。

 

F2:オープンな集会所のようなところに窓からの朝日が入っているシーン。床にピントをあわせて程よく背景をぼかす。大きくボケるわけではない28mmだが、自然に被写界深度を扱える。

 

F4:軒先に干してあったものに朝日があたるシーンをシャープに撮影。F4まで絞れば曖昧さも無い。

 

F1.4:観光客に向られたものだろうか?家の格子窓に飾られた色が映える。開放で描写しているが背景のボケ具合が味わい深いと思うのは私だけだろうか?

 

F4:妻籠宿と書かれた行灯(あんどん)にピントを合わせ、緩やかに立体感を出すためにF4を選択。「ここに女優さんがいれば映画的だなぁ」と思いつつ撮った1枚。

F5.6:民宿の木戸がの質感が印象的だったので、シャープに描写するためF5.6とした。この町はやはりモノクロが似合うようです。それにしても入り口に書かれた民宿名の文字が達筆である。

F8:朝日が格子のガラス戸に反射して、木造りの椅子を照らしていたものをF8で撮る。これから暖かくなる光を感じて貰えれば嬉しい。


F1.4:そろそろ観光客が増えてくる時間もあり、馬籠宿の方が若干撮りづらくなってしまった。軒先に干された唐辛子の赤が青空に映えるので開放でワンショット。家の方にとって良いですか?と聞いたら「いつでもどうぞ(笑)」と言われてしまった。今まで聞いた人はいないそうだ。

 

F2:馬籠宿は坂の町。山間の宿場町の水の美しさを撮影してみた。白い軽トラは生活感が欲しかったのでボケに入れる。

F8:妻籠宿の駐車場から宿場町に登る道。この曲がり具合に思わずシャッターを切る。妻籠宿の雰囲気はまったくない(笑)

F8:天気がいいと光が強すぎるので、あえて影を構図する。シッカリ撮るためF8として白壁、石垣、瓦屋根の質感を撮る。こういうシーンでは影の中の陰影を消さないような露出を出すことが肝要。


F4:宿場町っぽい演出をされた飾り付け。「籠」と書かれた笠にピントを合わせて、背景を緩やかにアウトフォーカスさせる。観光客の影が入ったがまぁそれはヨシとする(笑)

 

F5.6:モノトーンな町に差し色の赤を主役として、遠近感のある構図とする。大八車の車輪が雰囲気を演出してくれます。

 

F1.4:お土産屋さんの看板猫を寄って撮ってみた。Mマウントのレンズもマクロアダプタ使用で寄れるのもメリット。開放からシャープに描写できるこのレンズも使い所の範囲が広い。

 

F2:最後は、馬籠宿が坂の宿場町とわかる1カット。適度なボケは自然な立体感となる。

FUJIFILM X で 7Artisans 28mm F1.4 ASPH を使ってみて

APS-Cで40mm画角となり、少し広めの標準レンズ。スナップレンズとしては少々狭いかと思ったが、意外に使いやすかったのが印象的。高輝度なシーンでもパープリフリンジは出ず、周辺~四隅もシッカリ写り、歪も少ない。凡庸になりやすい画角は、汎用性の高さとも言える。ズームレンズで効率よく撮るよりも自分の目線の記憶が撮影できたように思う。写真好きに勧めたい一本である。

写真・文/HarQ Yamaguchi


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