【HarQの使えばわかる】2つの35mmで紅葉散歩。

 

7Artisans(七工匠)から発売されている2つの単焦点35mm。明るさが違うのはわかるが、実際にどういう描写をするのか? FUJIFILM X-T2と共に奈良市内の紅葉を散策しながら撮影してみた。

 

外観の違い

左:F1.2 / 右:F2

 

どちらも小さい単焦点レンズですが、F1.2はAPS-C、F2はフルサイズのイメージサークルをカバーするので、F2の方が少し大きくなる。デザインもF1.2はレトロなデザイン。F2は直線的でシンプル。いずれもFUJIFILM Xシリーズに似合っている。

 

実写してみる

三脚禁止の寺院の境内なので、近い構図での比較となります。(画像はクリックで拡大します)

7Artisans 35mm F2

7Artisans 35mm F1.2

F8で撮影。レンズの違いを出すには開放付近で撮るのが一番いいのだが、紅葉撮影なので最初からF8である(笑)さすがにF8で撮ると描写の違いを見出すことは難しく、どちらもかなりシャープに描写している。四隅の解像力がF1.2に比べてF2の方が僅かに優れているが、F1.2の方も気にするほどのものではない。


7Artisans 35mm F2

7Artisans 35mm F1.2

開放値での撮影。持ち替えて撮影中に光が変わってしまったのが残念。開放なのでF2とF1.2である。当然、F1.2の方は被写界深度は浅くなり、F2の方は開放からピント面はシャキッと写る。F1.2の方はさすがに収差が残りソフトな写りである。


7Artisans 35mm F2

7Artisans 35mm F1.2

開放値での撮影。アウトフォーカスの部分のボケの違いがわずかに出る。


7Artisans 35mm F2

7Artisans 35mm F1.2

F8で撮影。開放で四隅の解像力の評価はできるがあまり意味がないのでF8での解像力をチェックしてみる。意外にF1.2が頑張っていてセンターに比べて落ちるが気にするほどではない。F2はフルサイズのイメージサークルを持つので余裕がある。


7Artisans 35mm F2

7Artisans 35mm F1.2

開放値での撮影。さすがにボケを含めた構図を撮ると違いは大きく出る。ピント面は明らかにF2がシャープだが、下の落ち葉はF1.2が滑らかにボケる。


7Artisans 35mm F2

7Artisans 35mm F1.2

開放値での撮影。中距離での開放勝負である。F2は素直な描写をし、アウトフォーカスも自然である。F1.2は周辺減光の影響で少し暗く見え、シャドウ部分の落ち込みも大きい。周辺のボケが流れるようになるのも特徴的。


7Artisans 35mm F2

7Artisans 35mm F1.2

開放値での撮影。F2はピント面がシャープでボケは自然である。F1.2は収差が残るのでソフトなピント面となり、ボケ量は多くなるがF2ほど自然ではない。

結果

まったく同じ光ではないシーンもあるのだが、F8まで絞ればどっちを使っても単焦点らしい繊細な描写をするし、周辺もきっちり描写してくる。違いは開放での描写でズバリ使いやすいのはF2の方。ピント面の発色はどちらも同じ様に見えるが、ボケ部分の色はコントラストが良いのでF2の方がよく出る。背景の選び方も割と無頓着に選んでもなんとかなるし、マニュアルでのピント合わせは明確である。F1.2は収差が残るソフトな描写となり、オールドレンズっぽい描写をさせたかったり、特徴あるボケを上手く利用して作品を撮りたいときなどに向いている。このレンズでしか撮れない写真があると思うのだ。つまり、撮ってて面白いのはF1.2の方である。というわけで、優等生なF2と個性的なF1.2ってところで結論といたします。
 
写真&テキスト:HarQ Yamaguchi


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