澤村徹のカメラガジェット放浪記 第10回「Fringerでツァイスレンズを操る」
Fringer FR-FX10 / cam-in LCP-002101 / cam-in CAM1575 / cam-in CAM9004

写真・文=澤村 徹

 

昨今、スマートアダプターが盛況だ。電子接点を搭載したマウントアダプターで、他社製現行レンズをAF動作させる。この手の製品は、AFレンズを使わないオールドレンズファンにとって、ちょっと縁遠く感じるかもしれない。しかし、スマートアダプターはMFレンズにもきわめて有用な存在だ。今回はFringerのFR-FX10で、スマートアダプターとMFレンズの組み合わせをレポートしよう。

 

FR-FX10はキヤノンEFマウントレンズを富士フイルムXマウントボディに装着する。AF、絞り、手ブレ補正などの動作が可能だ。

 

FringerのFR-FX10は、富士フイルムXマウントボディにキヤノンEFマウントレンズを装着するためのマウントアダプターだ。電子接点を搭載し、キヤノンEFマウントレンズがAF動作する。このAF動作のパフォーマンスが群を抜いており、とても注目を集めている製品だ。

 

さて今回は、このFR-FX10にZEマウントのPlanar T* 1.4/85を装着してみた。言わずと知れたカールツァイスのクラシックシリーズ、不動の大口径中望遠レンズである。ZEマウントはいわゆるキヤノンEF互換マウントで、本レンズは電磁絞りを採用する。レンズ自体に絞りリングはなく、ボディ側で絞り制御するタイプのレンズだ。FR-FX10はカメラとレンズの電子的なやり取りを可能とするため、電磁絞りのレンズも問題なく使用できる。

 

EFマウントレンズは電磁絞りなので、絞りリングはない。FR-FX10経由ならボディ側で絞り制御が可能だ。

 

今回はX-Pro2の前ダイヤルで絞り制御できるように設定した。ファインダーを覗いたまま速やかに絞りコントロールできる。

 

この構成で、絞り優先AE、シャッタスピード優先AE、プログラムオート、すべての撮影モードが問題なく動作した。使用頻度の高い絞り優先AEは、X-Pro2の前ダイヤルで絞りをコントロールし、後ダイヤルで拡大表示を制御した。このあたりのセッティングは好みが分かれると思うが、X-Pro2側でPlanar T* 1.4/85の絞りをスマートに制御できる。もちろん自動絞りで動作するため、絞り込んだ状態でも常に明るいファインダーでピント合わせ可能だ。また、プログラムオートでは絞りとシャッタースピードがカメラ任せとなり、ピント合わせに専念できる。MFレンズのプログラムオートもなかなか通なセッティングだ。電子接点付きMFレンズとスマートアダプターの組み合わせ、思っていた以上に快適なセットアップである。

 

X-Pro2 + Planar T* 1.4/85 絞り優先AE F1.4 1/8000秒 ISO200 AWB RAW 開放はとにかくボケが大きく、それでいてディテール描写は緻密だ。プラナーをX-Pro2で使えることによろこびを感じる。

 

X-Pro2 + Planar T* 1.4/85 絞り優先AE F2.8 1/2200秒 ISO200 AWB RAW 背景の道をほどよく描くため、F2.8まで絞って撮影した。絞ってもボケはやわらかく、階調にも優れる。

 

X-Pro2 + Planar T* 1.4/85 絞り優先AE F1.4 1/8000秒 ISO200 AWB RAW 木の杭にピントを合わせ、麦なでしこを前ボケにして柔らかさを味わう。

 

X-Pro2 + Planar T* 1.4/85 絞り優先AE F1.4 1/2200秒 -0.67EV ISO200 AWB RAW 緑のトンネルの向こうにポピー畑が広がる。コントラストが強いおかげで、緑のトンネルから覗いている様子がよく伝わってくる。

 

X-Pro2 + Planar T* 1.4/85 絞り優先AE F1.4 1/7000秒 ISO200 AWB RAW ポピーを前ボケにして、遠くの高架を狙う。前ボケは色飽和も歪曲も無縁。Fringer FR-FX10のおかげで、プラナーの高描写をX-Pro2で満喫できた。

 

ドレスアップは赤をワンポイントに据えてスタイリングした。すべてcam-inの製品で、まずカメラケースLCP-002101から見ていこう。LCP-002101は光沢感のあるブラックレザーに赤ステッチを施している。底面は金属プレートで、バッテリーにイージーアクセスが可能。メモリカードの交換もケースを装着したままで行える。

 

カメラストラップCAM1575はイージーアジャストタイプの製品だ。樹脂製のリングに指をかけ、グッと引っ張るだけでストラップの長さを調節できる。歩いたり自転車に乗って移動する際はストラップをタイトに、いざ撮りはじめるときはゆるめに、といった調整がワンアクションで可能だ。カラーバリエーションが豊富に用意されており、ここではケースの赤ステッチに合わせて赤いコットンテープのものを選んだ。

 

最後にソフトレリーズボタンCAM9004を見ていこう。X-Pro2はシャッターボタンにネジ切りがあり、スクリュータイプのソフトレリーズボタンが装着できる。ここではX-Pro2のデザインに合わせ、直径9ミリの小さいソフトレリーズボタンを装着した。ストラップ同様、cam-inのソフトレリーズボタンもカラーバリエーションは豊富だ。ケースやストラップのカラーに合わせ、好みの色を選ぶといいだろう。

 

cam-inのX-Pro2用ケースは、装着したままでバッテリーとメモリカードの交換が可能だ。

 

フルブラックのボディに赤いソフトレリーズボタンが映える。光沢の質が揃っているので、とてもバランスがよい。

 

CAM1575はイージーアジャスト式のストラップだ。柔らかいコットンテープで肌触りがよい。

 

●PRODUCTS LIST
Fringer FR-FX10
cam-in LCP-002101(X-Pro2用カメラケース)
cam-in CAM1575(ストラップ)
cam-in CAM9004(ソフトレリーズボタン)

 


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